外壁塗装を行わない場合、どのような影響が出るのでしょうか。
建物を新しく建てた際には塗装が施されますが、時間が経過するにつれて、紫外線や雨などに晒される外壁は自然と劣化していきます。
そのため、一定期間ごとの再塗装が必要ですが、再塗装を行うタイミングがわからないという方も少なくありません。
そこで今回は、外壁の劣化を放置するリスクと、再塗装を行うタイミングについてご紹介します。
外壁塗装をしないと起こるデメリット4つ
外壁の塗り替えを怠ることで、見た目の問題だけでなく、他にもさまざまなデメリットが発生します。
外壁塗装をせずに劣化を放置すると起こり得るデメリットは、主に以下の4つです。
1.家の外観が悪くなる
2.断熱性が下がる
3.雨漏りが起こる
4.シロアリなど害虫の発生する
この章では、外壁塗装のメンテナンスを放置した結果として発生するリスクを、一つずつ詳しく解説していきます。
1.家の外観が悪くなる
紫外線や雨などの影響で外壁が劣化すると、次第に住宅の色味が褪せ、家全体の美しさが失われます。
この状態をそのままにしておくと、塗料の割れや剥がれなど、より深刻な問題が発生する可能性もあります。
2.断熱性が下がる
外壁塗装を怠ると、劣化した外壁の隙間から外気が侵入しやすくなり、家の断熱効果が低下します。
夏場は室内が暑くなりやすく、冬場は冷え込みやすくなるため、居住の快適性が著しく低下し、光熱費の使用頻度も高くなってしまうでしょう。
3.雨漏りが起こる
外壁の塗装が老朽化すると、細かなひび割れや塗装の剥落を通じて、雨水が室内に浸水する可能性があります。
外壁から雨水が侵入した場合、すぐに室内で雨漏りが発生するわけではありません。
しかし、室内に雨水が侵入するようになった場合は、非常に深刻な状態であるため、早急に修理業者へ連絡して対応しましょう。
雨漏りをそのまま放置しておくと、室内の家具や床材などが損傷し、最終的にはカビの発生につながり、健康への悪影響が懸念されます。
雨漏りの修繕には高額な費用が必要になることが多いため、問題が発生する前に外壁のメンテナンスを行うと良いでしょう。
4.シロアリなど害虫の発生する
雨漏りの影響は、ただの水害に留まらず、シロアリの侵入リスクも高まります。
湿った木材はシロアリにとって絶好の環境です。
そのため、雨漏りはシロアリなどの害虫を家に引き寄せる原因となり得ます。
シロアリは、住宅内部の木材を徹底的に食害することにより、建物の強度を低下させる大きな脅威です。
シロアリによって食害された木材は強度を失い、建物の耐震性が低下することになりかねません。
このような状態に陥ると、単なる修繕作業では対処できず、大規模なリフォームが必要となる可能性があります。
外壁塗装は約10年ごとに更新が必要
使用する壁材や塗料の種類により差はありますが、外壁塗装の平均的な耐用年数はおよそ10年とされています。
新築住宅の場合、約10年が経過すると外壁を再塗装する必要があるという意味です。
外壁の再塗装時期が迫ると、外壁には劣化する部分が現れ始めます。
これらの劣化を見逃さずに、適切なタイミングでの塗り替えを心掛けましょう。
外壁塗装の劣化症状
外壁に劣化している部分が現れ始めたら、外壁塗装の時期が近づいている証拠です。
ここでは、主に外壁塗装で見られる劣化の症状を解説していきます。
ご自宅の外壁に、以下のような劣化がないか確認してみてください。
・色褪せと光沢の喪失(約5年目)
・汚れと苔の発生(約7年目)
・チョーキング現象(約10年後)
・ひび割れ(約10年後)
・剥がれ(約15年目)
・コーキング材の劣化(約15年目)
色褪せと光沢の喪失(約5年目)
外壁の劣化が始まる初期段階には、色褪せや光沢の喪失が目立ちます。
外壁の色が薄れ、艶が失われてきたと感じるときは、劣化が進行しているサインです。
元々色合いが淡いか光沢が少ない素材を使用している外壁では、色褪せなどの劣化が見分けにくいことがあるため、特に注意が必要といえます。
汚れと苔の発生(約7年目)
時間が経つにつれて外壁塗装の撥水性が低下し、湿気を含みやすくなると、汚れが付きやすく苔が生えやすくなります。
特に、日陰になる部分ではカビが生じやすく、見た目にも悪影響を及ぼす可能性があります。
高圧洗浄で一時的に汚れや苔を除去できますが、そのあとも再度汚れや苔が発生する可能性があるでしょう。
チョーキング現象(約10年後)
チョーキング現象とは、外壁に手を触れた際に白い粉末が手に付着する状態のことです。
この現象が確認される時点で、外壁塗装の保護機能が衰えていることを示しています。
この段階ではまだ初期の劣化ですから、ただちに重大な問題に直面するわけではありません。
ただし、外壁の保護機能が大きく低下しているため、劣化は次第に進行するでしょう。
そのときは、再度外壁塗装を考える良いタイミングです。
ひび割れ(約10年後)
チョーキング現象に次いで現れやすい劣化が、ひび割れです。
ひび割れが浅くて雨水が侵入しない程度であれば、大きな問題にはなりません。
しかし、ひびの幅が0.3mmを超えて深刻化すると、雨水が浸透し雨漏りを引き起こす可能性が出てきます。
このような症状に陥れば、速やかに修理や外壁塗装の施工が必要です。
剥がれ(約15年目)
ひび割れが深刻になると、雨水の浸入により外壁の部分的な剥がれが発生します。
剥がれが起こるほどの劣化状態であると、外壁の防水機能はすでに失われており、さらなる損傷を避けるためにも、早急な対策が必要です。
コーキング材の劣化(約15年目)
サイディングの継ぎ目を保護するコーキング材も、約15年の経過とともに劣化し始め、剥がれてしまうことがあります。
コーキング材が劣化すると、外壁を介して雨水が侵入し、内部の木材を腐食させる原因となります。
したがって、外壁の塗り替えに加えて、基礎や柱などの構造部分の補修も必要です。
これらの修繕には相当な費用がかかるため、劣化を見つけた際は直ちに業者へ相談してみてください。
外壁塗装しないとどうなる?劣化の症状でわかる緊急度
外壁塗装後、およそ5年が経過すると、色褪せが目立ち始め、光沢の失われる現象も見られます。
特に暗めの色彩の外壁では目につきやすいものの、この時点で塗り直しをするには早すぎるタイミングです。
約7年経つと、外壁の汚れが気になるようになります。
陽の当たらない場所ではカビの発生もあり得ますが、塗り替えに踏み切るには少々早い時期です。
優しくスポンジ洗いをすることで、対処できます。
外壁塗装後、約10年が経過するとチョーキング現象が発生します。
これは深刻な劣化の段階ではないので、急いで対応する必要はありませんが、塗り替えに適したタイミングです。
チョーキング現象が出てきた段階で塗り替えを行うと、これ以上の劣化を防ぐことができます。
チョーキング現象を放置した場合、次第にひび割れが生じ、その後、剥がれが始まります。
雨漏りが発生すれば、単なる塗り替えだけでは収まらず、大規模な修繕が必要になるでしょう。
まとめ
外壁塗装の重要性と、劣化の段階を踏まえた対応方法について説明しました。
適切なタイミングで外壁塗装を行うことで、外壁の劣化に対処できます。
外壁に触れた際に白い粉が手に付くチョーキング現象が見られたら、塗り替えの時期が近づいています。
修理業者に見積もりを依頼し、計画的に塗装工事を進めましょう。