外壁塗装には耐用年数があり、その期間が過ぎれば塗膜の劣化や防水効果の低下が生じます。そのため塗料の耐用年数を知ることは、外壁塗装の適切なタイミングを判断するうえで役立ちます。
本記事では、外壁塗装の一般的な耐用年数と塗料別の年数について紹介します。また、塗料を長持ちさせるコツもまとめました。新築を建てる予定の方や家のメンテナンス頻度を減らしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
外壁塗装の耐用年数は約10年が目安
一般的に、外壁塗装は約10年ごとに行う必要があります。その理由は、一般的な住宅で使われる「シリコン系塗料」の耐用期間が約7年から10年程度であるためです。
耐用年数が過ぎているにもかかわらず、外壁の塗り替えを行っていない場合には、塗料の防水機能が低く注意が必要です。防水性が低い外壁は雨水の浸入リスクを高め、結果的に基礎や梁など建物の内部構造体がひび割れやカビが発生し、家の寿命を縮めてしまうことにつながりかねません。
そのため住宅を長持ちさせるうえでも、外壁の定期的な塗り替えは重要です。
塗料別の耐用年数
外壁塗料は、その種類ごとに耐用年数が異なります。主要な塗料の種類とその年数は、以下の通りです。
・ウレタン塗料:およそ7~10年
・シリコン塗料:およそ7~10年
・フッ素塗料:およそ15~20年
・光触媒塗料:およそ10~20年
・無機塗料:およそ20~25年
短いものは7年程度で塗り替えが必要になります。外壁塗装を施工する際には、これらの塗料の特性と住宅の立地条件、使用環境を総合的に考慮し、最適な塗料を選択することが大切です。
以下では、それぞれの特徴を紹介します。
ウレタン塗料(約7~10年)
ウレタン塗料は、密着性と弾力性に優れているため、ひび割れに強いのが特徴です。高弾力性から塗装に不慣れな方でも扱いやすく、メンテナンスがしやすい点がメリットです。ウレタン塗料は水性と油性タイプがあり、水性タイプのほうが耐久性に優れる傾向にあります。
ひび割れに強いウレタン塗料ですが、耐候性が低く紫外線による劣化が進みやすい点には注意が必要です。
シリコン塗料(約7~10年)
シリコン塗料は、水分や汚れをはじきやすい性質と、紫外線や雨水にも強い性質が魅力の塗料です。汚れが付着しても簡単に落とせることから、個人の場合でもメンテナンスを容易にできます。
また多くの住宅の外壁塗装で使用されていることから、各メーカーが積極的に開発し、多種多様なカラーから選べるメリットもあります。
フッ素塗料(約15~20年)
フッ素塗料は、耐久性と汚れにくさを兼ね備え、紫外線にも強い塗料です。これは、フライパンのコーティングなどにも使われるフッ素樹脂を含んでいるためです。
光触媒塗料(約10~20年)
光触媒塗料は、太陽光のエネルギーを受けると酸化チタンが活性を帯び、壁に付着した汚れを分解する能力を持ちます。分解された汚れは、雨とともに洗い流せるため、外壁メンテナンスの手間を減らせるのがメリットです。
ただし光触媒塗料の自浄作用は太陽光を必要とするため、日陰ではその効果が発揮されにくい点がデメリットです。
無機塗料(約20~25年)
無機塗料は、セラミックやケイ素などの無機物を主成分としており、紫外線に強いことが特徴です。紫外線や汚れに対して耐性が高く、長期間にわたって外壁の劣化を防ぐことが可能です。一度塗装すると長期間メンテナンスフリーになるため、メンテナス回数を減らしたい方におすすめの塗料といえます。
外壁塗装を長持ちさせるコツ
外壁塗装は一定期間ごとに必要とされるものですが、補修工事に伴う煩わしさを考えると塗料が長持ちするように心がけたい方も多いでしょう。塗装する前と塗装後に少し工夫することで、長持ちさせることが可能です。
以下では、外壁塗装の持続性を高める3つのコツを紹介します。
耐用年数の長い塗料を選択
外壁塗装を長持ちさせるコツとして、耐用年数の長い塗料を選ぶことが挙げられます。
耐用年数が長い塗料は初期費用が高めですが、その分メンテナンスの手間を大幅に削減できるメリットがあります。また塗装作業全体のコストを考えれば、長期的に見てコスト効率に優れる点も魅力です。
定期的な外壁洗浄
外壁塗装を長持ちさせるには、定期的な外壁洗浄も欠かせません。
外壁は時間とともにホコリや汚れが蓄積します。これらが放置されると、塗装の劣化を加速させてしまいます。そのため定期的に外壁の汚れを落とすことにより、外壁の劣化を抑制できます。
特に海に近い地域では、塩分の影響で塗装の劣化が進みやすいため、こまめな洗浄が必要です。
外壁洗浄では傷つけないように柔らかいスポンジを使用し、仕上げの際には水でしっかりと洗い流しましょう。なお高所を洗浄する際には、専門の業者に依頼することをおすすめします。
信頼できる業者の選定
外壁塗装を長持ちさせるには、信頼できる業者に依頼することが最も重要です。
塗装が不適切な場合には塗装が早期に劣化し、1年程度で再塗装が必要になる場合もあります。
優良業者なら施工不良のリスクがなく、何か問題が発生した際にも責任を持って対応してくれます。どのような塗料を使う場合にも長持ちさせるうえでは、優良業者へ依頼しましょう。
まとめ:外壁塗装の耐用年数を延ばすには信頼できる業者選びが大切
今回は、外壁塗装の耐用年数について説明しました。各塗料ごとの年数目安は下記のとおりです。
・ウレタン塗料/シリコン塗料:およそ7~10年
・光触媒塗料…およそ10~20年
・フッ素塗料:およそ15~20年
・無機塗料:およそ20~25年
無機塗料の耐用年数が最も長くメンテナンスフリーの期間が長い一方で、ウレタン・シリコン塗料は10年経たないうちに塗装メンテナンスが必要になるケースもあります。
塗料の耐用期間ごとに外壁塗装をすることにより、外壁だけでなく建物全体の耐久性を向上させることができます。そのため建物を長持ちさせるうえでは、耐用年数を過ぎる前に外壁の塗装を行いましょう。
また外壁塗装を長持ちさせるうえでは、信頼できる外壁塗装業者選びが重要です。業者を選ぶ際には複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
コストだけではなく、担当者の対応が丁寧かどうかや疑問に対してわかりやすく答えてくれるかなど、相性もよく確かめるようにしましょう。