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ー外壁塗装をDIYで挑戦しても大丈夫?メリット・注意点・基本手順をやさしく解説ー

 

外壁塗装をDIYでやってみたい人が知っておきたいこと

「外壁塗装をDIYでできたら、かなり節約できるのでは?」と考える方は少なくありません。ホームセンターやネットでも外壁用の塗料や道具が手に入りやすくなり、動画やブログでやり方を紹介している情報も増えています。そのため、外壁塗装 DIYというキーワードで情報収集を始める方も多いでしょう。

ただし、外壁塗装は家全体の防水性や耐久性に関わる大切な工事です。見た目だけでなく、塗り方や下地処理を間違えると、数年で塗膜がはがれてしまったり、雨漏りの原因になったりすることもあります。そこで、DIYでやってよい範囲とプロに任せたほうがよい部分、そしてDIYで行う場合の基本的な流れを整理しながら、判断しやすいように解説していきます。

外壁塗装をDIYでするメリット・デメリット

外壁塗装 DIYには魅力もありますが、リスクや大変さもセットでついてきます。良い面だけで判断してしまうと、思わぬ失敗につながることもあるので、最初にメリットとデメリットを整理しておきましょう。

DIYの主なメリット

外壁塗装をDIYで行う最大のメリットは、やはり費用面です。人件費や一部の足場費用などを抑えられるため、条件が合えば業者に頼むより安く済む可能性があります。
また、自分のペースで作業できることや、「自分の手で家をきれいにした」という満足感を得られるのも、DIYならではの魅力です。塗料の色を細かく選びながら、愛着のあるマイホームづくりを楽しみたいという方にとっては、大きなやりがいになるでしょう。

さらに、部分的な補修であれば、気になったタイミングでこまめに手を入れられる点もメリットです。例えば、玄関まわりの塗り直しや、ウッドデッキ・フェンスなど、外壁以外の塗装スキルにも応用しやすくなります。

DIYの主なデメリット・リスク

一方で、外壁塗装 DIYには、見逃せないデメリットやリスクもあります。
まず、大きいのが「安全面」です。2階部分の外壁を塗る場合は、高所作業が避けられません。不安定な脚立で無理に作業すると、転倒・転落の危険があり、非常に危険です。しっかりした足場を組むには専門の業者が必要になるため、この時点で「DIYでも結局コストがかかる」ケースも多くなります。

また、塗装の品質も課題です。外壁塗装は、ただ塗料を塗るだけではなく、ひび割れ補修や高圧洗浄、下塗り・中塗り・上塗りといった工程を正しく行うことが重要です。下地処理が不十分だと、数年で塗膜がはがれ、結局プロにやり直しを依頼することになり、余計な出費になってしまうこともあります。

さらに、DIYで行った塗装だと、万一の不具合が出たときの保証がありません。業者に依頼する場合は、施工保証やメーカー保証がつくケースも多いので、その点も含めて比較することが大切です。

外壁塗装DIYでできる範囲・プロに任せるべき範囲

ここまでのメリット・デメリットを踏まえると、「全部をDIYでやる」というより、「できる範囲だけDIYで行い、難しい部分はプロに任せる」という考え方がおすすめになってきます。自宅の状況や自分のスキルを冷静に見極めながら、無理のない範囲を決めていきましょう。

DIYでも比較的取り組みやすい範囲

外壁塗装 DIYで比較的取り組みやすいのは、次のようなケースです。
・平屋や、1階部分のみの小さな外壁
・ブロック塀、門柱、フェンス、ウッドデッキなどの付帯部分
・小さなひび割れ補修や、部分的な色あせの塗り直し

これらは高所作業になりにくく、作業範囲も限られているため、しっかり準備すればDIYで対応しやすい部分です。最初から家全体に挑戦するのではなく、まずはこうした小さな範囲から試してみると、自分に向いているかどうかも判断しやすくなります。

プロに任せたほうが安心なケース

逆に、次のようなケースは無理をせずプロに任せたほうが安心です。
・2階建て以上で、足場が必要になる外壁塗装
・外壁材自体が傷んでいる、ひび割れが多い
・雨漏りの疑いがある、内部までダメージが進んでいそう
・忙しくて、まとまった作業時間が取りにくい

特に、雨漏りや躯体の劣化が疑われる場合は、塗装だけでは解決しないことがあります。こうした状態を見落として塗料だけで覆ってしまうと、内部でダメージが進み、後から大規模な補修が必要になるリスクもあります。見た目だけで判断しにくい部分こそ、プロの診断が役立つ場面です。

外壁塗装DIYの基本ステップを解説

それでも「条件的にDIYでやれそう」「一部だけでも自分でやってみたい」という場合は、外壁塗装 DIYの基本的な流れを押さえておきましょう。実際の作業は体力も時間も必要ですが、手順を理解して計画的に進めることで、失敗のリスクを減らすことができます。

① 現状チェックと計画づくり

まずは、家の外周をぐるっと一周して、劣化の状況を確認します。
・ひび割れの有無
・塗膜のはがれや浮き
・苔やカビ、汚れの付着
・コーキング(目地)の割れや痩せ

こうしたポイントを書き出しながら、「どの範囲をDIYでやるか」「何日くらいかかりそうか」のイメージを固めていきます。天気予報もチェックし、数日間は雨が降らないタイミングで作業計画を立てることも大切です。

② 必要な道具・材料を揃える

外壁塗装 DIYで一般的に必要になる道具・材料の一例です。
・外壁用塗料(下塗り・上塗り用)
・シーラーやプライマーなどの下塗り材
・ローラー(毛の長さ違いで数種類あると便利)
・刷毛(細かい部分や端部用)
・ローラーバケット、塗料用バケツ
・マスカー、マスキングテープ、ビニールシート(養生用)
・高圧洗浄機またはデッキブラシ
・コーキング材、コーキングガン
・脚立、作業用手袋、保護メガネ、マスク

DIYの場合、ホームセンターやネットで一通り揃えられますが、安さだけで選ぶと作業性が悪くなり、余計に時間がかかることもあります。特にローラーや刷毛は、ある程度品質の良いものを選んだほうが、仕上がりに差が出やすい部分です。

③ 高圧洗浄と下地処理

外壁塗装で最も重要な工程が「下地処理」です。ここを丁寧に行うかどうかで、塗装の持ちが大きく変わります。
まずは高圧洗浄機やデッキブラシを使って、外壁の汚れ・苔・ほこりをしっかり落とします。こびりついた汚れを残したまま塗装してしまうと、塗膜の密着が悪くなり、はがれの原因になります。

その後、ひび割れがある部分はコーキング材などで補修し、古くなったコーキングも可能な範囲で打ち替えます。細かな段差や穴を補修したうえで、必要に応じてケレン(古い塗膜の除去や、サビ落とし)も行っておきましょう。

④ 養生作業で周囲を保護する

下地処理が終わったら、窓・サッシ・玄関ドア・エアコン室外機・植木など、塗料がついては困る部分をビニールシートやマスカーで覆います。この養生作業は手間がかかりますが、仕上がりの見た目を左右する大切な工程です。

マスキングテープのラインが曲がっていると、そのまま塗り境目のガタつきになります。丁寧にテープを貼ることで、素人感の少ないきれいなラインに仕上がります。外壁塗装 DIYで「プロっぽさ」を出すポイントのひとつです。

⑤ 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り

いよいよ塗装の工程です。基本は「下塗り → 中塗り → 上塗り」の3回塗りが標準です。
・下塗り:シーラーやプライマーを塗り、上塗り塗料の密着を良くする
・中塗り:仕上がりの色をつけながら、塗膜の厚みを確保する1回目
・上塗り:最終的な色・ツヤを整え、塗膜を仕上げる2回目

塗料の希釈率や乾燥時間は、必ずメーカーの仕様書に従いましょう。「早く終わらせたいから」と乾燥前に重ね塗りをすると、後からベタつきやムラ、はがれの原因になります。天候や気温によっても乾き方が変わるので、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

⑥ 最終チェックと片付け

全ての塗装が終わったら、養生を丁寧にはがし、塗り残しやムラがないかを確認します。遠くからと近くから、時間帯を変えて見ることで、気付きにくいムラも見つけやすくなります。
最後に、道具をきれいに洗って乾燥させておけば、今後の部分補修や別のDIYにも活用できます。せっかく揃えた道具なので、大切に保管しておくと良いでしょう。

外壁塗装DIYで失敗しないためのポイント

外壁塗装 DIYは、正しく行えばコストを抑えつつ家をきれいに保つ方法のひとつです。しかし、いくつかのポイントを見落とすと、せっかくの苦労が無駄になってしまうこともあります。ここでは、特に意識しておきたいポイントをまとめます。

無理をしない・高所作業は慎重に

一番重要なのは「無理をしないこと」です。脚立を目一杯伸ばして不安定な状態で作業をしたり、体調が悪い日に高所作業をしたりするのは非常に危険です。
届かない場所や怖いと感じる場所は、無理に自分でやろうとせず、「そこはプロに任せる」と割り切る判断も大切です。安全を優先することで、DIYも楽しく続けやすくなります。

塗料と道具はケチりすぎない

安い塗料や道具を選びすぎると、仕上がりや耐久性に影響することがあります。外壁は毎日、雨風や紫外線にさらされる場所なので、「最低限の品質は確保する」という意識を持って選びましょう。
特に、外壁用の塗料は「外装用」と明記されているものを選び、室内用・木部専用などを間違って使わないよう注意が必要です。

不安な部分は専門業者へ相談する

ひび割れが深そう、雨漏りの跡がある、外壁がグラグラしているなど、「これは塗装だけで大丈夫かな?」と不安になる部分は、自己判断で塗りつぶしてしまわず、専門業者に相談してみることをおすすめします。
一部だけ診断をお願いしたり、見積もりを取って比較したりすることで、「どこまでDIYでやるか」を決める材料にもなります。

まとめ|外壁塗装DIYは「できる範囲」を見極めるのがコツ

外壁塗装 DIYは、上手に取り入れれば費用を抑えながらマイホームをきれいに保つひとつの方法です。一方で、高所作業や下地処理、雨漏りリスクなど、決して軽く見てはいけないポイントも数多くあります。

「平屋の一部だけ」「ブロック塀やフェンスなどの付帯部分」「気になる汚れや色あせの部分補修」など、まずは無理のない範囲から始めてみるのがおすすめです。そして、2階以上の外壁全体や、雨漏りの心配があるケースなどは、外壁塗装のプロにしっかり診断してもらうと安心です。

外壁塗装 DIYという選択肢と、専門業者への依頼を上手に組み合わせながら、「安全に・長持ちする形で」住まいを守っていきましょう。自分にできる範囲を見極めることが、結果的にコストと安心のバランスをとる一番の近道になります。