HANABIホーム

ーサイディングに外壁塗装は必要?塗装の費用や塗料についても解説!ー

 

外壁塗装は重要な家のメンテナンスの一つですが、何年ごとに行うかご存じですか?

実は使用する塗料によって外壁塗装の頻度は変わりますが、意外と知っている人は多くありません。当記事では、外壁塗装の費用や塗料、また現在外壁素材で主流のサイディングについて紹介します。

 

サイディングとは

サイディングとは柄のついた板状の外壁材のことで、家の大きさに合わせて適切な形にカットして使用されます。30年ほど前から日本で普及し始め、現在では、国内の新築住宅で8割以上がサイディングを使用しているほど人気の素材となりました。

 

ここまで普及した理由は、阪神淡路の震災後に耐久性の高い家が望まれ、軽量で耐震性の高いサイディングを外壁に採用する家が増えたからです。また、旧来のモルタル壁よりも素早く、安価に施工できる点も多くの支持を集めました。

近年では、より見た目も重視されるようになったことでサイディングも幅広いデザインが開発されており、好みのデザインを見つけやすくなっています。

 

サイディングの種類は?

サイディングには4つの種類が存在します。では、それぞれの特徴や耐用年数を紹介します。

 

1.窯業サイディング

窯業(ようぎょう)サイディングはセメントと繊維質を主な原料としたサイディングで、国内では新築住宅において最も使用されています。デザインが豊富で、多くのニーズに応えれる点が最大の特徴です。ただし、他の外壁材と比べて熱を溜め込む性質があるため、夏は室内が暑くなりやすい点がデメリットとなります。

 

耐用年数:20年〜40年

 

メリット

・デザインが豊富
・初期費用が安い
・耐震性・耐火性が高い

 

デメリット

・夏は室内に熱がこもりやすい
・寒冷地域では劣化が早まるおそれがある
・塗装をして水に強くする必要がある

 

2.金属サイディング

金属サイディングはガルバリウム鋼板やアルミなどの金属板が使用されている外壁材です。金属サイディングの特徴として、耐久性が高く劣化に強いことが挙げられます。ほかのサイディングよりも耐水性が高いため、ひび割れなどを起こしにくい反面、沿岸部や工業地帯の近くではサビが発生しやすいことがデメリットです。

 

耐用年数:25年〜45年

 

メリット

・断熱性・防音性が高い
・軽量で耐震性が高い
・張り替え時に処分費がかからない
・防水性が高い

 

デメリット

・住む地域によっては錆びやすい
・初期費用は比較的高い
・細かい傷がつきやすい

 

3.樹脂サイディング

樹脂サイディングは塩化ビニルを主な原料としたサイディングです。樹脂系サイディングは凍害が起こりにくいため厳しい寒さの北米では主流ですが、日本での普及率は1%ほどと高くありません。特徴は耐久性が高く、どの地域でも劣化しにくいことです。ただし日本で樹脂系サイディングを扱っている業者は少ないため、施工可能な業者を探す必要があります。

 

耐用年数:25年〜50年

 

メリット
・凍害・塩害に強い
・定期メンテナンスが少なく済む
・色褪せが起こりにくい
・軽量で耐震性が高い

 

デメリット
・取り扱っている業者が少ない
・デザインの自由度が低い
・初期費用が高い

 

4.木質サイディング

木質サイディングは杉や桧などの天然の木材を使用したサイディングです。樹脂サイディングと同じく日本での普及率は低いため、マイナーな外壁材といえます。特徴は天然の木材を使用しているため、木の模様や質感を感じられる点です。

窯業サイディングにも木目のデザインはあります。しかし、あくまで人工的に作られたものです。本物が良いという人は木質サイディングをおすすめします。

 

耐用年数:15年〜40年

 

メリット
・本物の木の模様・質感を楽しめる
・断熱効果が高く、室内の温度が外の温度に影響されにくい

 

デメリット
・使用している素材によっては水に弱く腐食が起こりやすい
・こまめなメンテナンスが必要
・初期費用が高い
・取り扱っている業者が少ない

 

サイディングに外壁塗装は必要?

外壁塗装は雨や紫外線などから外壁材を保護する働きがあるため、サイディングにも施工が必要です。仮に外壁塗装を行わなかった場合、ひび割れやサビなどで耐久性が損なわれ、サイディングの張り替え時期が早まってしまうでしょう。しかし樹脂サイディングのみ外壁が劣化しにくい素材であることから、新築後しばらくは塗装が不要な場合があります。

 

塗装剤の種類

外壁塗装に使用する塗料は主に4種類です。現在はその中でもシリコン系が人気があります。他の塗料にも特徴があるため紹介します。

 

シリコン系塗料

シリコン系塗料は外壁塗装をするときに最も選ばれている塗料です。理由は紫外線や雨などの劣化に強く、価格も抑えられているからです。また、塗装することで汚れにくくするものや遮熱性のあるものなど、さまざまな性能の製品があるため選択肢が多い特徴もあります。コストパフォーマンスが良く人気の塗料です。しかし、価格が安すぎるものはシリコンの含有量が低い粗悪品の可能性があるため、注意が必要です。

 

アクリル系塗料

アクリル系塗料剤は最も安価に施工できる塗料です。しかし、紫外線に弱いため劣化するスピードが早く、ほかの塗料よりも効果は長持ちしません。そのため塗り替えの頻度が多くなることから、結果的に他の塗料よりも費用がかかるおそれがあります。自分でも施工しやすい特徴があるため、劣化の激しい箇所などを部分的に使用する場合に向いている塗料といえるでしょう。

 

ウレタン系塗料

ウレタン系塗料はアクリル系塗料より一つ上のグレードに位置する塗料です。価格はアクリル系より高くなります。しかし、効果がより長く持続する点が異なります。ただし、近年ではさらに長期間効果が持続するシリコン系塗料が販売されています。そのため、コストパフォーマンスの点から、ウレタン系は外壁塗料に選ばれることが少なくなりました。価格はシリコン系よりも低いため、近い将来引っ越しの予定があるなど塗装する住宅に長く住む予定がない場合は選択肢に入ります。

 

フッ素系塗料

フッ素系塗料はシリコン系よりも効果が長持ちすることから、主に塗り直しが大変なビルやマンションなど大きな建物に使用される塗料です。高い価格で手を出しにくいことから、住宅の外壁塗装に用いられることはあまりありません。しかし、紫外線に強い特徴を持つため、劣化の確認が難しく紫外線の影響を受けやすい屋根に使用されることは多いです。

 

外壁塗装の費用と寿命は?

外壁塗装にかかる費用と寿命の目安を以下の表にまとめました。費用は30坪で屋根の塗装は無しの想定です。

 

費用 寿命
シリコン系 約80万円〜100万円 約10年〜13年
アクリル系 約50万円〜70万円 約4年〜7年
ウレタン系 約60万円〜80万円 約7年〜10年
フッ素系 約90万円〜110万円 約10年〜15年

 

 

外壁塗装のタイミングはいつ?

外壁塗装は塗料が劣化したら塗り直しが必要です。それぞれの塗料には目安となる寿命があります。しかし、住んでいる地域など条件によっては目安の寿命より早く劣化する場合もあります。そのため、次の症状が出たら業者へ相談するなど対策を取りましょう。

 

チョーキング現象

チョーキング現象とは外壁に触れたときにチョークの粉のような白い粉が付く現象です。この粉は塗料が劣化したサインですので、長期間放置すると劣化が進みひび割れの原因などになります。また、下手に粉を落とそうとすると下地が傷つくため、ブラシで擦ることや高圧洗浄機をかけるなど、刺激の強い行為は避けましょう。

 

カビ・コケの発生

カビやコケが生えることも塗装が劣化したサインです。塗料にはサイディングが水を吸わないようにする防水機能があります。しかし、劣化することでこの機能が落ちてサイディングが水を含みやすくなり、カビやコケが発生します。特に人気が高い窯業サイディングの場合は、水に弱いため早めの対応を心がけましょう。

 

シーリング部分のひび割れ

シーリングとは外壁の継ぎ目に施されている水の侵入を防ぐためのものです。シーリングは紫外線などにより数年で劣化し始め、ひび割れを起こします。シーリングの補修は外壁塗装とは別の作業が必要です。しかし、寿命はどちらも同じ程度ですので、シーリングが劣化していると、塗装も劣化している可能性があります。

 

塗料の剥がれ・膨れ

塗料の剥がれや膨れは、塗装の劣化が激しい場合に現れます。この状態では外壁を保護する能力が著しく低下しているため、早めの塗り替えが必要です。放置すると外壁の劣化が進み、張り替え時期が早まってしまいます。そうなると塗り替えよりも費用がかかってしまうため、塗料の剥がれ・膨れを見かけたら早めに業者へ連絡しましょう。

 

まとめ

最後にこれまでのまとめをします。

 

・サイディングの種類は窯業・金属・樹脂・木質の4つ
・サイディングに外壁塗装は必要(樹脂サイディングのみ新築後しばらく必要ない場合がある)
・外壁塗装に使われる塗料はコストパフォーマンスの面でシリコンが最も人気が高い
(それぞれの特徴を知っておくことで最適な選択ができる)
・外壁塗装の劣化サインを理解しておくと正しいタイミングで塗り替えが可能

 

 

外壁塗装やサイディングについてまとめました。

外壁塗装は大掛かりで費用もかかるメンテナンスですので先延ばしにしがちです。しかしその結果、さらに費用がかかってしまうことがあります。余計な出費を抑えるためには、外壁に劣化の兆候が見られたら、先延ばししないようにしましょう。

業者へ相談してみることが大切です。