ー外壁塗装の材料を完全解説|下塗り・中上塗り・シーリング・添加剤の基礎知識と選び方ー

外壁塗装の「材料」を分解して理解する
外壁塗装で使われる材料は、大きく「下塗り材」「中塗り・上塗り材(上塗り塗料)」「シーリング材」「付帯部用塗料」「添加剤・希釈材」に分けられます。名称だけでは違いが分かりにくいので、まずは役割と性質から整理しましょう。これを押さえると、見積書や仕様書の読み解きが一気に楽になります。
材料は単体で性能を発揮するわけではなく、下地・気候・施工方法との相性で結果が変わります。次の小セクションから、各材料の基礎と選び方のコツを噛み砕いて見ていきます。
下塗り材(シーラー/フィラー/プライマー)
下地と上塗りの密着を高める接着層で、吸い込みを抑え、ムラや剥がれを防ぎます。モルタルやALCには微弾性フィラー、金属には防錆プライマー、窯業系サイディングには浸透型シーラーなど、下地に合わせて最適解が変わります。既存塗膜の種類や劣化度合いによっても選定が必要です。
中塗り・上塗り材(仕上げ塗料)
色と艶、防水・低汚染などの機能を担う仕上げ層。樹脂グレード(シリコン/ラジカル/フッ素/無機など)で耐候性や価格帯が変わります。三回塗り(下・中・上)を前提に、規定の塗布量と乾燥時間を守ることで性能が出ます。
シーリング材(目地・取り合い)
外壁目地やサッシ周りの防水を担う材料。主成分は変成シリコーンやポリウレタンが一般的で、上塗り塗料との相性が重要です。打ち替え(既存撤去)と打ち増し(増し打ち)の判断、プライマー塗布、厚み確保が耐久の鍵になります。
上塗り塗料の材料構成を知る
仕上げ塗料の缶の中身は「樹脂」「顔料」「溶媒(水/溶剤)」「添加剤」の4要素でできています。名前だけではピンとこなくても、役割を知ると仕様の意味が理解しやすくなります。ここからは各要素が仕上がりにどう効くのか、初心者にも分かりやすく整理します。
樹脂(バインダー)
塗膜の骨格。耐候性・柔軟性・付着性を左右します。ラジカル制御型やフッ素・無機は紫外線劣化に強く、シリコンはコスパの良さが魅力。住み方(何年住むか)と立地条件で選びます。
顔料(着色・隠ぺい)
色と隠ぺい力を決める粉体。白顔料の酸化チタンは隠ぺいに優れますが、グレードや配合でチョーキング耐性が変わります。濃色は熱を吸収しやすく、遮熱の効きも淡色に比べ低くなりがちです。
溶媒(希釈ベース)
水性は低臭・環境配慮、溶剤系は付着性や乾燥性で優位な場面があります。下地や季節、周辺環境(学校・病院隣接など)を踏まえ、施工性と安全性のバランスで判断します。
添加剤(防カビ・防藻・低汚染・流平など)
仕上がりの滑らかさや汚れにくさ、藻カビの抑制などを助ける脇役。多ければ良いわけではなく、目的と環境に合うものを適量で。スペック表に「低汚染」や「防藻・防カビ」の表記があるか確認しましょう。
下地別:材料の選び分け
同じ塗料でも、下地が違えば最適な組み合わせは変わります。まずは下地の種類を特定し、下塗り材→上塗り材→シーリング材の順にロジカルに選ぶのがコツです。以下では代表的な下地のポイントを簡潔に整理します。
窯業系サイディング
吸水とシーリング劣化に注意。浸透型シーラーで素地を固め、上塗りはラジカル以上が無難。目地は変成シリコーン系を基本に、上塗りとの相性を必ず確認します。
モルタル
ひび割れ対策が最優先。微弾性フィラーでクラック追従性を確保し、弾性~微弾性の上塗りで仕上げます。吸い込みが強い場合はシーラーの増し塗りで均一化します。
金属(ガルバリウム等)
付着性と防錆が命。エポキシ系防錆プライマーで下地を整え、上塗りはフッ素・無機や低汚染タイプを選ぶと長期安定。塩害や結露が多い立地では特に有効です。
消耗材・道具も「材料」の一部として考える
仕上がりは塗料だけで決まらず、マスカー・養生テープ・刷毛・ローラー・コーキングガン・攪拌機などの消耗材と道具の品質にも左右されます。これらは見積書では「共通仮設・諸経費」に含まれることが多いですが、実は塗膜の均一性やエッジの精度を大きく左右します。ここからは、よく質問されるポイントを厳選して紹介します。
ローラーと吹き付けの使い分け
飛散を抑え均一に仕上げたい面はローラー、意匠性模様や広面積の効率には吹き付けが向きます。周辺環境・工期・コストを総合して、面ごとに最適化します。
養生材料の品質
養生が甘いと塗り替え後の満足度は一気に下がります。テープの粘着力やマスカーの密着性は仕上がりの縁(エッジ)に直結するため、現場写真で確認できる会社は安心です。
耐久とコストのバランスをとる材料選定術
「高級塗料=正解」ではなく、住まいの条件に対して過不足のないシステムを組むことが重要です。ここでは材料選びの思考順序を、初心者でも実践できる手順に落とし込みます。
手順1:住環境の課題を特定
・日射が強い/幹線道路沿いで汚れやすい/海風・積雪・凍結融解 など、立地のクセを書き出します。課題が違えば必要な機能(低汚染・高耐候・防藻など)も変わります。
手順2:下地と既存塗膜を診断
付着試験や吸い込みの確認で下塗りを決めます。既存膜が溶剤に弱い場合や、チョーキングが強い場合は、浸透性の高いシーラーで素地づくりを重視します。
手順3:上塗りの樹脂グレードを確定
長期居住ならフッ素・無機、コスパ重視ならシリコン~ラジカル。色・艶・遮熱などの機能は最後にチューニングします。
手順4:シーリング材と付帯部の整合性
上塗りと同系統の相性を取り、可塑剤移行や塗膜割れを避けます。付帯部は素材(鉄・樹脂・木)ごとに下塗りを変えましょう。
見積書で材料の良し悪しを見抜くコツ
「一式」表記では品質が判断できません。製品名・樹脂種類・塗布量・回数・シーリング材の規格が明記されているかを確認し、写真付きで施工前後の記録を残す会社を選びましょう。ここでは具体的なチェックポイントをリスト化します。
チェックリスト
・下塗り(種類・メーカー・塗布量)、上塗り(製品名・樹脂・期待耐用年数)
・三回塗りの明記(下・中・上)と乾燥時間の確保
・シーリング材の種類(変成シリコーン/ウレタン等)と打ち替え・打ち増しの区別
・希釈率・希釈材の種類(水/溶剤)と季節条件の記載
・施工写真の提出(素地調整→下塗り→中塗り→上塗り→完了)
まとめ:材料は“組み合わせ”で性能が決まる
外壁塗装の材料選びは、単品の性能比較ではなく、下塗り×上塗り×シーリング×環境条件の組み合わせ設計です。住まいの課題を言語化し、下地診断から逆算して材料を決め、見積書には製品名・塗布量・回数を必ず明記。これだけで仕上がりと耐久は大きく変わります。迷ったら、相見積もりで同条件比較を行い、仕様に“数値の根拠”がある提案を選びましょう。
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